6.帝国④

西側壊滅の報せを聞いたのはすでにヴィラン国が蹂躙されたずっと後だった

大神樹ミントから新たにヒーローを生み出す方法が編み出され、伝説のヒーローの再来を中央諸国は大歓声で見守った


ヴィラン王の子息であるヴィリスは王国への留学中に故郷を失ったのだ

絶望と深い悲しみに暮れるヴィリスを包むのは、ヒーローの誕生に沸いた大歓声だ

悲嘆はやがて憎しみに変わる

西側の一大事にこの王国は飲めや歌えの大騒ぎ

所詮遠い別の世界の出来事だと考えているに違いない


ヴィリスは狡猾な男だった

絶望と悲嘆の中でも西側の壊滅を受け止め、今自分にできることを為そうとした

それは、魔物とこのお気楽な王国への復讐

しかし幼い自分にはその力はまだない

この王国への留学期間中に必要なことをすべて学びきり、かならず魔物を駆逐し王国の一強時代を終わらせるのだ


ヴィリスは王国で学べるものはすべて学び取り、ミントエーテルについての研究も行なった

そして留学期間を終え、彼は疲弊しきった西側へ舞い戻る

すべてに復讐するため。西側を自らの手でまとめあげ、これ以上の悲劇を起こさないため

ヴィラン王の後を継ぎ、王となったヴィリスはさっそく西側諸国の吸収を始めたのだった

PixelHeroes妄想ストーリー

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