7.帝国⑤

以前の西側諸国は豊かな気候に恵まれ、多くの小国が肩を寄せ合うように生活していた


ーヴァイラン地方ー

大陸の西側地域の正式名称である


西側にオッペン海、中央との境を担うオラン山脈に囲まれた豊かな地域

コントラクト王国との交易はオラン山脈を越える必要があるので活発ではなく、独自の文化を形成している国が多い

オラン山脈の麓にあるジュオンの森の奥には、王国にある大神樹ミントと同じ様な大神樹が座しているという伝説もあり、領土としているオランと隣国であるパラッチは神話の国として多くの巡礼者が西側各国から訪れるほどだ


しかし大神樹の加護も虚しく、ヒーローの誕生と平定が間に合うことなく西側は魔物たちに蹂躙され、ほぼ壊滅状態となった

生き残った人々は中央を呪い、運命を呪った

そしてわずかに誰かの救済を願っていた


そして第二次魔獣災害から数年後…急速に勢力を拡大していくひとつの国

ーヴィランズー


ヴィランズ国王が魔獣災害で倒れた後、王国留学を終えたヴィリス王子が即位すると同時に帝国制への転換を進め、戦禍から立ち直る気力すら残っていない近隣諸国を次々と吸収していく

他力本願で復興を他人事のように考えていた西側の国々は抵抗する気力もなく、ただただ急速なヴィランズ帝国の拡大に呑まれていったのである


災害復興と反王国勢力を掲げ、近隣諸国もその声に呼応した

ヴァイラン地方は、王国への恨みを糧に復興へ向けて重い腰を上げたのだった

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