王国には代々至高の腕を持つ石工の家系がある
次期当主となる青年は父や先祖を越える歴代最高の石工となることが夢だった
青年は研究熱心で、先祖が生み出した技術に自ら編み出した工夫を加え、次々と革新をもたらしていった
そんな彼を周りは天才だと持て囃したが、本人は貪欲に技術を追い求め、研究に没頭していた
そんな折、先祖たちが手がけた王国中の建物が近々大規模に補修されることが決まった
第一次魔獣災害によって、堅牢な石の都が一夜にして滅んだとされる
実際これは伝説や昔話のように真偽が定かでない話と違い、今も廃墟と化した街並みは残っている
幸いにも第二次魔獣災害でも王国は大きな被害を受ける前にXヒーローズが事を鎮めてくれたが、それでも全く被害がなかったわけではない
さらに不穏な噂が最近王国のそこかしこで囁かれている
当然王家も把握し、次なる危機に備えるのだろう
そうなると当然当家に依頼がくる
今の王家の建物は当家が代々受け持ってきた
ここは過去にないような技術を披露して、当家の名を王国外にも知らしめるチャンスだ
歴史に残る大仕事となるだろう
青年は一層研究に身を捧げていった
そして古くから残る書斎の奥に、見覚えのない一冊の書があるのを見つける
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