光が収束し姿を現したのはか細い少年だった
「こんな弱っちそうな奴があの龍神の正体だってのか…」
三日月が放心気味に呟くが、ドラゴマンも答えに窮している
魔力も弱々しく、三日月の言うように兵士や騎士の体躯ではない
おそらくジェネライトが何らかの働きをした結果なのだろう
「なあ、ジェネライトって一体何なんだ…」
三日月の疑問は尤もだった
王国神殿の説明によれば選ばれし魂に大天使ミントが分け与える特別な因子であり、大神樹ミントの葉に反応して正義の力を呼び起こすものだという
しかしドラゴマンが見てきた事象はそれでは説明がつかない
獣の呪いに苦しむランジュや我を失ったスミスだけではない。三日月の刀や実体の無い龍神にまで効果を現している
ドラゴマン自身も暴走したジェネライトをミントエーテルにより鎮めている
「謎が多すぎる。ヴィリスも何かを隠している風だったしな。こいつを連れて一度帝国へ戻るぞ」
「へいへい、何かわかればいいんだけどな」
三日月は目を覚さない少年を抱え上げ、ドラゴマンの背を追った
ーーーーその頃帝国では
「アムちゃーーーん?アームーちゃーーーん」
ランジュがアムの名を呼びながら歩いている
前方から来たスミスがランジュに声をかける
「アムはいたか?」
「ううん、アムちゃんどこにもいない…どうしちゃったんだろう」
「エコーにも探させているが、どうやら獅子の鼻にも捉えられんらしい」
「私だって鼻も耳も利くもん!でもやっぱりここにはいないってこと…?」
アムがいないことに一番に気づいたのはランジュだった
ランジュは急ぎスミスに助けを求め、エコーと城の兵たちにも協力を仰いだが、並外れたランジュとエコーの使い魔の鼻を持ってしても手がかり一つ見つけることはできなかった
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